草津温泉 尻焼き風呂の
桐島屋旅館
(桐しまや)

〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町541
電話: 0279-88-2871  FAX : 0279-88-6509















霊浴降病魔



 浴場入り口のこの書は、昭和28年に当時78歳の原様(桐しまやのお客様)が書いてくれたものです。この方は草津節を多く作詞しました。
「お医者さまでも 草津の湯でも アドッコイショ 恋の病は コリャ 治りゃせぬよ チョイナ チョイナ。」の唄は桐しまやで長逗留していたときに芸者さんに恋したときの唄で、その後想いが通じ恋仲になったときの唄が「恋の病も 治せば治るアドッコイショ 好いたお方と コリャ 添や治るよ チョイナ チョイナ。」でセットになっています。後で奥さんにばれるのですが。
 明治時代の恋のお話です。
 私の祖父(桐しま会初代)の時代の方で、父(二代目)は大正末から昭和にかけてこの原様の家で書生として面倒をみてもらいながら学校へ通わせてもらっておりました。
 私も姉も神田の公楽様というお客様の家でお世話になりながら学校へ行かせて頂きました。公楽様は国学者で18代目の神官になる家柄、奥様は京都のお公家の出の方で共に明治生まれの方でしたので色々勉強になりました。昔はこのようにお客様とは親戚付き合い以上の間柄でお付き合いしておりました。
 さて表題の「霊浴降病魔」の話にもどりますが、以下桐しま会しおりから抜粋します。

  とは人の命、宇宙のエネルギー、自然のエネルギーの事。温泉のエネルギーなどの事。「魂(たま)」とか「気(き)」とか、チベットでは「ルン」、インドでは「プラナ」、ヘブライ語では「ルアハ」、とか「ネフェッシュ」、ギリシャ語では「プネウマ」とか「プシュケー」とか云い取りあえず類似語、同意語として良い。聖書では霊は生きた魂としているようです。我々は「神」と解しておいても良い。仏教では霊とか神と云わず「心」と云う。
 日本人的には肉体は生きている間、借りている霊の入れ物(命の入れ物)であるから大事にお借りすると解するのである。

 霊浴とはレベルの高い温泉に入浴し、それによって得られる治療効果に浴する事であるが、真の意味としては、温泉入浴のような自然の強いエネルギー(命の力、霊の力)に浴することにより自分の命の充電をして貰う事、その恩恵に預かる事。食事や散歩等いつでも命の充電が出来るときの事。気功とかプラナヤマとか類似の意味で「禊(みそぎ)」とか「修行」にも相当する。心身霊の清めであり、日本的には神仏のお陰と云う事にも近い。

 降病魔とは、霊浴によって生命力が高まると病気の原因、病魔が身体から出て行ってしまうという事。湯治(とうじ)や散歩や食事や冥想などで霊浴した時の"気持がいい"、"おいしー"とかの状態を【心身霊がバランスがとれた、健康、元気、平和、幸せになった】と云う。霊浴降病魔とは温泉湯治による「お祓い」でもありアビシェーカ「灌頂」である。
そして「石の上にも三年」のような意味と思って良いが、「三月三年(みつきさんねん)」と云い霊浴を百十日間位を三年間行えば自分の環境、食事、考え方など病になった原因が解る、理解出来ると云う。その期間は自分を見つめ直し、己を発見する良い機会とし、それらの諸々の原因に気付けば病魔が出て行くと教示する。仏教の「心の進歩」と云う事と同じであると解してよい。
            草津温泉 桐島屋旅館 館主中澤芳章
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