草津温泉 尻焼き風呂の
桐島屋旅館
(桐しまや)

〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町541
電話: 0279-88-2871  FAX : 0279-88-6509















「草津温泉療養の志をり」抜粋
《入浴の心得》


先々代の時代に作成されて湯治客に渡された”しおり”です。
 草津温泉の歴史を感じて見てくださいね。


 当温泉に入浴せんとする方は下記箇条につき充分注意せらるべく、最もよろ宜しきは当事者につき示導を受けとうじ湯治を行ふことなりとす。
一、
幼男女、体質の強弱、疾病の軽重等により入浴法を加減すること
二、
到着当初は一両日間低温にて一日1〜2くわい回の入浴にとど止めくわど過度に入浴すべからず
三、
入浴は他の温泉のごと如く一度浴槽に入りたる後ちそうぐわい槽外に出でヽ休み、また浴するが如き出入断続する入浴法をなすべからず
四、
浴直前温湯約三十杯程を頭部に注ぎ後除々に浴槽中に入るべし、之れ全身血行の平均を保たしめん為め肝要なる事なりとす
五、
入浴度数は一日四回迄を適度とす、但小児、児童は一日一、二回に止むべし
六、
入浴時間は毎回二分乃至三分とすべし、半身浴、局部浴等は多少延長するも可なり
七、
心動を感じ易き者は入浴時けふぶ胸部にさらしもめん晒木綿を巻き、のぼせ逆上の氣味あるものは半身浴より開始し、ぜんじ漸次上半身に及ぼすをよろしとす
八、
入浴後は全身の湿氣をよく去り、心身常態に復して後ち除々運動に移るべし
九、
入浴の温度は摂氏三十七度(くわし華氏約100度)より摂氏四十八度(華氏一一八度)位迄を可とし、最適温度は摂氏四十二乃至三度(華氏一一〇度)前後とす
十、
、くう空ふくとき腹時、食後一時間以内、飲酒直後等は入浴すべからず
十一、
入浴期中は暴飲、房事を慎むべく、充分なる睡眠をうる様心がくべし、又毎日便通ある様注意すべし
十二、
入浴期中は適宜なる屋外運動を試み、充分なる日光に浴し新鮮なる空氣を摂る様心がくべし
十三、
入浴開始後約十日前後に食欲不振を来し、全身違和を覚ゆる事あり、之れ多くはぞくせう俗称「タダレ」の発するぜんちゃう前微なるを以って身体を暖かに保つべし
十四、
入浴は新陳代謝を亢進し身体のゑいやうそ栄養素を要する事多きを以って相当なる滋養物例ば牛乳、豆類、卵、肉類、魚肉類、野菜類等を摂取し之が補足を心がくべし
十五、
入浴期中に全身疲労倦怠の感、食欲不振、心悸亢進、頭痛、はきけ嘔氣等を覚ゆる時は多くは入浴くわど過度、かうねつ高熱よく浴の持続等により発する湯当りのちやうこう兆候なるを以って入浴の回数を減ずるか低温となすか又は一時入浴を中止すべし
十六、
胃腸病、脳病、脊髄病、リュウマチ、脈管硬化症等の諸症はなるべく可成低温内に一日三回以下の入浴に止むべし
十七、
心臓病、腎臓病、脚氣、リュウマチ、脊髄病等の諸症は湯もみをなすべからず
十八、
重症肺疾患、脳出血後間もなきもの、重症なる心臓病、脚氣及ふきで浮腫等の患者は入浴を禁止すべし 以上別記すといえども雖入浴期中には心身のへんぜう変常を発し易きを以って浴客は各自常に此が注意を怠らず且不審の場合は必ず当事者につき示導を受け決して俗間の無責任なる言説に迷はざる様心がけられたし
 この後に日光浴の心得、時間湯禁制と続きます。 全文は昔のままの形のしおりを差し上げておりますので、ご来館の折り御申しで下さい。
裏面には先々代の名前が下記のように印刷してあります。(原文は縦書き、旧字)
上州草津温泉 局前  内湯旅館 桐しまや 中澤由松
(湯の花販売)
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